『ジゼル』のあらすじをご紹介したところですが、どのように今日まで受け継がれてきたのかを紐解いてみましょう!
原作 | アンネ・ハイネ『ドイツ論』『ジゼルまたはウィリ達』より |
振り付け | ジャン・コラーリ/ジョール・ペロー |
音楽 | アドルフ・アダン |
舞台装置 | シセリ |
初演 | 1841年6月28日 |
バレエ団 | 王立音楽アカデミー劇場(パリ・オペラ座の起源) |
ジゼル | カルロッタ・グリジ |
アルブレヒト | ジョール・ペロー |
台本 | サン・サルジュ/アンリ・ヴェルノワ |
元になったドイツ論より・・・
〜ドイツの伝説〜
スラブ諸国には、ウィリという名称の夜の踊りの伝説がある。
ウィリ達は婚礼の前に死んだ許嫁たちである。生前に満たすことのできなかった踊りへの愛着が我慢できず墓の下でじっとすることが出来ない。
真夜中になると彼女達は起き上がり本街道に群れをなして集まり、
彼女達に出会した若い男は不幸にも、死んで倒れるまで、彼女たちと踊らなければならない。
花嫁衣装を見に纏い、花冠を頭上に載せ、きらめく指輪をはめてウィリ達は月光を浴びながら踊る。
雪のように白い肌、若々しく美しい。彼女達は危険に嬉々として笑い、魅力的に呼び寄せ、とても甘い約束事の素振りを見せるので、
この死せるバッコスの巫女たちは抗しがたいのだ。
〜アンリ・ハイネ『ドイツ論』〜
これを読んで
2幕で何故ウィリ達が白いロングチュチュで
花輪を頭飾りでつけ、口紅を塗らず
ポワントの音に細心の注意を払っているか
理解できますね!・・・
さて、王立音楽アカデミー劇場(パリ・オペラ座の起源)で初演に至るまでの時代背景ですが
異界のシーン、現実逃避の願望を描いたロマン主義の典型的な作品でありその点では『ラ・シルフィード』と似ていますね。。
初演では、
ジゼル役のカルロッタ・グリジ
アルブレヒト役のジョーン・ペロー
が演じました。
このお二人の出会いはとても歴史的だと私は思います。
グリジはクロアチアのヴィジナダに生まれミラノ・スカラ座バレエ学校で学びデビュー。
既にスターであった25歳のペローはイタリアを巡業中に彼女に出会い才能を見抜き、同時に恋に落ちたのです。
グリジは当時16歳でした!!!結婚はせず、公私ともにパートナーとなりました。
その後、二人はロンドン、パリ、ウィーンを巡業します。グリジだけがパリ・オペラ座に入団を認められました。
ジゼルの台本を手がけたゴーチェの目に止まり、グリジでジゼルが初演されることになりました。
またグリジの踊る部分の振り付けは全てペローが手掛けたと言われています。
グリジはとても魅力的だったのですね・・・
初演の日はグリジな誕生日でもあり、大成功に終わったそうです。
評論家からも絶賛され一躍大スターとなりました。
その後ジゼルは各地で上演され、19世紀後半に一時上演されない時期もあったが、現在まで上演され続ける作品となりました。
まだまだ歴史を深掘りできそうですが、今日はこの辺で・・・
経緯を知る事で、踊る上でも、鑑賞する上でも理解が深まり楽しみが増しますよね。
プラペンも今からジゼルのDVDを鑑賞しようと思います^^
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