バレエ『ラ・シルフィード』第1幕あらすじ

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19世紀、初めてロマンティックバレエの全幕バレエが誕生する。全2幕スコットランドが舞台のこのバレエは今にも受け継がれているバレエ。青年ジェイムズと空気の妖精シルフィードの切ない恋物語。。初演はパリ・オペラ座で大好評を博したバレエである。

ルーツについてはまた別の記事で述べることにします。

〜第1幕〜

幕が開くと、そこはスコットランドの農家。窓とドア、大きな暖炉があり、各部屋につながる階段がある。時は夜が明ける前。

舞台の前にある椅子に腰掛けたジェイムズ、家の中の藁の上でガーン、二人とも寝ている。そしてジェイムズの足元には空気の妖精シルフィードがいる。彼女は愛情たっぷりの眼差しで彼の周りを青い羽を動かして飛びまわり、心地よい風を送り続ける。ジェイムズは不意に目覚め、彼女の後を追うが暖炉の中へと消える。彼はこれが夢だと信じたいが、眠りを魅惑したこの感覚がそうさせず受けた接吻で額は燃えるようだ。ガーンも起きていたならシルフィードを見たに違いないとガーンを起こすが彼はエフィを夢に見ていたと。。エフィとはジェイムズの婚約者になる人であるが、ガーンは彼女を愛してるのだ。だが彼女が選んだのはジェイムズだった。

そして夜が明け、部屋からジェイムズの母ルービンとエフィが登場する。ガーンは彼女の麦藁帽子への飾りに自ら射止めた青鷺の羽根をプレゼントする。エフィは気のないお礼を言い、愛するジェイムズの元に行くが、許嫁が行ったことに気づかず、遠くを見ている。

『一体、何を思っているの?』

ジェイムスは我に返りハッとする。

『僕は君の事を思っていたんだ。。。』

『あなたは嘘をついているわ、どうしてそんなに悲しい顔をしているの。私たちが婚約するのは今日なのよ。。』

『もちろん、君を愛しているよ!僕は幸せだ!』

エフィは彼に手を差し出し接吻させる。ガーンも素早くその手をとって接吻しようとするがエフィは手を引っ込め、ジェイムズはからかいながら脅す。ガーンは堪えることが出来ない涙を隠す。

ルービンが二人の手を取り、二人は祝福を受ける。

エフィの友達の娘たちが家にやってきた!それぞれ結婚祝いの品を持ってきた。プレード・帯・冠・花嫁のベール・花束である。エフィは皆に感謝し、身につけてみて喜ぶのであった。その時もジェイムズはシルフィードを思い返して暖炉が気になり見ていると

先程、愛おしく思って追いかけたシルフィードではなく忌々しい姿の魔女のマッジが入り込んで来ていた。ジェイムズは怖い顔で

『お前はここで何をしている!!!』

『雷雨が怖くてここに避難しているのさ。』とマッジ。

『ここから出ていけ!お前がいるのは悪い前兆だ。災いをもたらすお前の姿を見せるな。』

エフィや娘たちはジェイムズをとめ、老婆のために許しを請う。

マッジはなんでも知っていて、手のひらを見れば予言する事ができると言う。娘達は順番に並び、自分の未来を聞きに行った。

『じゃあ次は私。結婚して幸せになる?』とエフィが手を差し出し尋ねる。

『なるね』

『私が愛してると同じくらい、彼は私を愛してる?』の問いかけにマッジは

ジェイムズの手を見て

『私には全てお見通しよ。彼女を愛してないね。』

その言葉にジェイムズは苛立ちエフィに信じないで欲しいと懇願する。

その時ガーンが手を差し出す。

『この人は本当にあなたを愛しているよ。エフィ、すぐにガーンに冷たくしたことを後悔すだろうね。』と老婆。

ジェイムズの怒りは募る。彼は荒々しく彼女を追い出す。

ルービンが婚約式の準備を進めようと騒ぎを終わらせる。皆が一度その場を後にし、エフィも身繕いをしに階段を駆け上がっていった。

一人広間に残ったジェイムズはまたシルフィードを思い出していた。

突然、突風が吹いたかのように窓が開く。。

振り返ると、シルフィードが窓の端に身をよせ泣いている。ジェイムズはどうして泣いているのか訊ねたいので自分の方に来るよう促す。

『なぜ見当がつかないのかしら。あなたはエフィと結婚するじゃない。』

『君には関係ないではないか。』

『関係ない?!こんなに愛しているのに。』

『僕が君を愛しているだって?信じやすいのに付け込んでいるんだ。』

『あなたを初めて森で見たときから、ずっとあなたのそばにいるわ。この暖炉は私の隠れ場所よ。昼は一緒に森の奥に。夜は邪悪な精霊たちを追い払い愛の夢を送っているの。』

ジェイムズは彼女の言葉に取り乱し、胸を打たれるのであった。

心動かされたジェイムズは、エフィだけを愛すと頭でわかっていながらも、シルフィードを愛さずにはいられない。

それを知ったシルフィードは、この上ない喜びを表し、彼の周りを飛ぶ。彼女は森に連れて行こうとする。。。

が、エフィを諦めることは出来ない、出ていけと拒むジェイムズ。

エフィが腰掛けに置いて行ったプレードをシルフィードが身につけ最愛の人のイマージュを思い出させジェイムズの理性は吹き飛び抱きしめる。

その様子を少し前から見ていたガーンは急いでエフィに伝える。ジェイムズはプレードの中にシルフィードを隠す。

エフィとガーンは中を覗くがそこには誰もいない。。

ガーンはこの目で見たと何度も訴えるが相手にされない。

村中の人々がお祝いに駆けつけた。みんなで乾杯をし若者は演奏し踊る。みんなでスコットランドの踊りを踊っている間、絶え間なく空気の妖精に気を取られるのであった。シルフィードは何度か現れるがその姿は彼にしか見えない。

踊りが終わり、いよいよ婚約式。エフィは皆に祝福され幸せいっぱいだ。

ジェイムズはなんとも言えない感情で、エフィと交換する指輪を手にした時、暖炉からシルフィードが現れ、その指輪を奪い森へ逃げていった。

エフィが花婿を呼んだとき彼は答えない、、

一同で彼を探す。そんなときガーンは得意満面に

『女と森へ逃げていくのを見た』といい一同驚く。

エフィは苦しみルービンの腕の中で絶望し、老婆の予言を思い出したガーンはエフィの前に跪き第1幕の幕が降りる。

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